IABC世界大会2015 報告
ビジネス界でコミュニケーションを業務とする担当者の国際団体、IABCの世界大会がアメリカのサンフランシスコで開かれました。
40カ国を超える国々から1200人以上が参加して、今年のテーマである『未来を告げる、変わりゆくランドスケープ』の中で、社内コミュニケーションや対外広報がいかにあるべきか意見を交換しました。
インドからの参加者
「大会にはここ数年、毎年来ています。世界の最新のベストプラクティスを知り、最高の専門家と会って、ネットワーク作りにとても良い機会です」
初日の基調講演は、ベストセラー、How the World Sees Youの著者、Sally Hogsheadさんです。人を惹きつける魅力を科学的に分類し、パーソナリティのタイプ別に最も効果的なアプローチをアドバイスしています。
Sally Hogsheadさん
「世の人があなたのベストの状態をどう見るかが問題なのです」
著者でデジタル・ストラテジストの肩書を持つArron Dignanさんは、アリの社会と免疫システム、インターネットの共通性を指摘し、事態に素早く反応するこれからの組織ネットワークのあり方を説きました。
ビジネス界からは、業務ソフトウェアSAP社のCEO Bill McDermott氏が登壇し、コミュニケーションがリーダーにとって最も重要であり、シンプルであることの大切さを強調しました。
Bill McDermottさん
「短く、はっきり明瞭で重点的な、心からのコミュニケーションが、人々の考え方を変える。リーダーができる最も強力なことは、考え方を変えることだ」
今年で45周年を迎えたIABCの世界大会は、基調講演の他に5つの分野で約80の分科会セッションが行われました。従業員エンゲージメント、レピュテーション、リーダーシップ、マーケティング、ブランディングなど、今最も注目されているテーマが続きました。
ニュージーランドからの参加者
「講演者の一人は、人々が注意を払う時間は9秒間だと警告していたことに衝撃を受けました。スマホやラップトップなど取り巻く状況を見れば恐らく真実でしょう。我々はどうやってその時間に聴衆の注意を引きつけて知らせるべきことを伝えるのでしょうか」
今年の世界大会は、ソーシャルメディアとスマートフォンによるコミュニケーションが圧倒しました。最終日の全体講演では、イノベーターとして有名なガイ・カワサキ氏が、ソーシャルメディアを有効に活用するヒントについてスピーチし、締めくくりました。
Michael Ambjorn IABC会長
「今回の世界大会は、今現実に社会で起きているシフトに関すことでした。ビル・マクダーモット氏が言うように、世のCEOはコミュニケーションの大切さを理解し始めていて、それを手伝うことができる専門家を手元に持とうとしています。またアーロン・ディグナン氏が言うように、部門の壁は基本的にすでに時代遅れであって将来の方策はネットワークを構築することです。」
4日間に渡る大会は全体会合を開いて閉幕しました。
来年の大会はニューオリーンズで開かれます。