大変な事態になったときの 危機コミュニケーションとソーシャルメディア
2017年5月16日 ジェラルド・ブロウド
もはや潔く報いを受ける時だ。大変な事態になったときには、危機コミュニケーションの専門家となるために、あなたは自分の組織をTwitterのスピードで動かさなければならない。
ハンドルネーム@shroomy0021という人がカリフォルニア州のハイウェイを走っていると、天然ガス爆発の炎が上がっているのを見つけた。数分と経たない内に、彼はビデオをWebに投稿した。すぐにメディアからビデオ素材の使用許可を求める依頼が殺到した。あなたは、あなたの会社のコミュニケーションを、ハンドルネーム@shroomy0021という誰かに委ねたいと本当に思いますか。会社が正確な情報でその空白を埋めるまで、@shroomy0021という人が現在その出来事の広報官になっているのです。
そうしている間に、私の家のそばの化学工場で大爆発が起きて2人が死亡、114人が負傷した。従業員が走って避難する際に、一人が立ち止まって火の玉の写真を撮影し、彼が車Ford150に乗り込むとFacebookのページを作成した。そのページは3時間38分間で4000以上の「いいね」を集めた。私がなぜ知ったかというと、会社が最初の公式ステートメントを自社のWebサイト上でリリースするまで長い時間を要したからだ。
ソーシャルメディアがあなたの競争相手なのだ。誰がその競争を勝つだろうか。あなたはそのゲームで五分五分でいられるだろうか。
簡単なテストをしてみよう。あなたの組織は、危機が起きたときに、あなたの最初の公式ステートメントあるいはニュースリリースを配信するのにどれくらいの時間がかかるだろうか。
あなたが今なお暗黒時代を生きているとすれば、あなたはゼロからニュースリリースを書いて、指揮系統に回して承認と修正を求め、それから書き直しを入れて再び最終承認に回します。それからその情報を世界に向けて配信するという、非常に多くのことをやらなければなりません。このような伝統的なプロセスには、通常、数時間を要します。そのときまでに、目撃者がTwitterやFacebook、Instagram、その他のサイトで自分のバージョンのストーリーを語り続けるのです。
最近の銃撃事件では狙撃犯が警官3人を銃殺する事件がルイジアナ州バトンルージュで日曜の午前中に起きました。この事件では、一人がFacebook Liveで事件を生放送し、もう一人の目撃者はPeriscopeで生中継したのでした。ニュース会見が開かれるまで5時間半かかりました。その間に、ソーシャルメディアでの該当警察からの投稿は無力で散発的でしたし、公式Webサイトに簡単なステートメントを掲載しようとする試みも同様でした。
第一に、あなたは会社の重役がソーシャルメディアのプラットフォームの名前だけ知っているのではなく、もっと詳しく分かっているようにする必要があります。もしあなたのリーダーがソーシャルメディアに時間を費やしたことがなかったならば、そのスピードやニュアンス、複雑さを理解する準備ができていません。ですので、彼らが危機や関連するコミュニケーションについて決定することは、もとから欠陥のある決定なのです。最低でも、あなたのリーダー全員をFacebookに1週間引っ張り込んで、1日30分7日間、積極的に従事することを義務付けるべきです。
第二に、危機コミュニケーション計画を見直して、メッセージを世界に発信するのに特定の目標時間を明記するようにします。私が書く危機コミュニケーション計画では、企業に対して、危機の引火点から1時間以内に公式ステートメントを発することを課すのが通常です。それでもソーシャルメディアの世界では、この59分ではあまりに遅すぎることも理解しておく必要があります。
第三に、よく晴れた日(何も問題が無い日)に時間をかけて、将来必要になるニュースリリースの骨格を書いておくこと。私は自分のコンピュータにいつでも事前に書いたニュースリリースを数百本用意しています。それぞれが、複数の選択肢があり、空欄を埋めるオプションを備えて書かれています。平均すると、編集してリリースを発行するまで10分です。これが最もいいことは、リーダー陣と法務チームが晴れた日に、その文書が実際に使われるずっと前から文言を読むことができることです。こうすれば危機発生の日には、彼らが必要なのは文言についてではなく正確さを承認することだけでいいのです。
第四に、PRとリーダー陣のチームは、少なくとも年に一回、現実的で不安が沢山の訓練を受けて能力を試すこと。リーダー陣は、机上訓練で決断を下して構いませんが、コミュニケーションチームは強制的に危機コミュニケーション計画を実際に実行して試してみることです。
ジェラルド・ブロウドは、国際的な専門家、コーチ、トレイナー、著者、講演者で、世界の5大陸にまたがる組織がクライアントです。著書に「Don’t Talk to the Media: 29 Secrets You Need to Know Before You Open Your Mouth to a Reporter, (メディアに話すな:記者に口を開く前に知っておくべき29の秘密)」、ブロウド氏は、危機コミュニケーションとメディア問題の専門家として広く評判です。詳細は、www.braudcommunications.comまたは彼のコンタクト先はgerard@braudcommunications.com
掲載タグ: CW Observerブログ、スポンサーコンテンツ
出展元:http://cw.iabc.com/2017/05/16/crisis-communication-and-social-media-when-it-hits-the-fan/