ビジネスコミュニケーションの現場でもよく使われるようになってきたキュレーションとは
博物館員などを表すcurator。彼らが行うcurationという言葉がビジネスコミュニケーションの現場でもよく使われるようになってきました。
curationを行うにあたっては、まず戦略を立て、どんなことに焦点を当てたいか、オーディエンスは誰か、そしてcurationの目的を明確にします。そして、次のステップで行います。
- 見つける(find)
- 整理する(organize)
- シェアする(share)
第1ステップ:自分が調べたいと思っているニッチなものに関連する情報を見つける(find)
すでに見ているもの、ブログを読んだり、googleやtwitterを用いるのもよい。
第2ステップ:情報の断片を将来に見つけやすいように整理する(organize)
DeliciousやDiigoといった、フリーのオンラインサービスを利用してもいい。curationされた情報にタブをつけると、後で見つけやすい。
第3ステップ:コンテンツをシェア(share)もしくは発表する(Publish)する
自動の集合(aggregation)を使うのではなく、人を介していることが大切。オーディエンスが意味を理解しやすいようにコメントをつけたりするとよい。
ただし、この3つのステップと言ったが、curationはloop(輪)のようなものととらえるとわかりやすい。常に知識を加え、整理し続け、シェアし続けるものである。
自社の商品を売り出すだけでなく、オーディエンスに役立つ情報を提供することで、会社の信頼を得ている企業がたくさんある。BtoBのビジネスでもこれはとても役立つ。
AdobeはチーフマーケティングオフィサーをターゲットにしたCMO.comは運営している。
◆Curationに役立つツール
http://www.delicious.com/
http://www.diigo.com/
これらで収集した情報をクライアントや同僚とシェアする。
http://paper.li/
Twitterのコンテンツをフォローできる
http://storify.com/
写真、ビデオやTweetなどで自分のストーリーを語ることができる。
http://www.shortform.com/
YouTubeやそのほかのビデオサイトからコンテンツをcurationできる。
curationの良いところは、自分自身や組織のニーズに合わせて小さく始め、もっと多くの人に伝えるときが来たときに広げればいいということ。
コミュニケーションチームの1人のメンバーが、「content curator」と言われる日も近いのではないだろうか。あなたの組織に現在あるコミュニケーション活動に統合され、いろいろな情報をフィルターしてくれる役割を果たすようになるだろう。
私自身、もともとビジネス書籍の編集に携わっていたのですが、編集というのはまさしくcurationだと感じました。インターネットやソーシャルメディアが急速に普及し、情報が氾濫する中で、この役割はより求められていくのではないかと思います。私自身もこの分野について勉強しつつ、実践していきたいと思ったのでした。