ソーシャルメディアのデータを”スマートデータ”に変える10の方法

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2016年3月2日 二コール・マテジック

ソーシャルメディアは単なるマーケティング・チャネルではありません—情報の宝庫です。あなたにとってソーシャルメディアの活用が、もっぱら膨大なオンライン上でファンを集めることが当初の目的であるとしたら、ソーシャルメディア分析を通じた有意義なスマートデータの抽出へと、その戦術を変える時が来ています。さて、どうするか。簡単な10のステップをご紹介します。

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1. データに対する考え方を変える

統計や視聴者のセグメンテーションのデータの処理は、魅力的な仕事ではないかもしれませんが、知は力なりです。コミュニケーションの専門家にとって、ユーザーに対応した巧妙なコンテンツを生み出すような情報を戦略的に活用できるようになることは、労力を費やすだけの価値があります。

“いつ” ソーシャルメディア上でコミュニケーションをとるかは、“何を”コミュニケーションするかと同じくらいに大切です。FacebookページインサイトやTwitterアナリティクスを見て、いつ視聴者がオンラインなのかを確かめ、最適なオーガニックリーチ(広告経由以外の閲覧)が狙える時間帯にコンテンツを配信できるよう予定を組みましょう。Facebookページインサイトでは、どのような種類のコンテンツが視聴者に一番ぴったりとはまったかもわかるでしょう。何がはまるかに注目して、その成功を再現していくのです。

2. 決してあなたについてのことではなく、あなたの視聴者についてです。そして、どう思わせることができるか。

感情分析(コメントや投稿がポジティブかネガティブか、あるいは中立かを測定するプロセス)は精密科学ではありませんが、広大な情報環境の中から、あなたのブランドに対する視聴者の認識や感情、あなたが作ったコンテンツや組織の位置付けなどを測定するのに役立ちます。

ソーシャルメディア上で起こっているやりとりに耳を傾けてみましょうー必ずしも反応する必要はなく、現在進行している”つながり”を掘り起こしていくのです。

ソーシャルメディア上の感情の観察の手助けをしてくれる分析ツールは、Mention社からHootsuite社のuberVU(ソーシャルメディアのスケジューリング機能も提供し、どちらも十分に統合されたソリューション)まで、市場に数多く出回っています。鍵となるのは、あなたが”何を” ”なぜ”測るのかということ。例えば何らかの危機が発生している間は、単に視聴者がどれだけ憤慨しているかを測れる能力こそが、対応するメッセージの策定において価値ある洞察をもたらしてくれるでしょう。

3. ソーシャルメディアは、歴史上最大の無料市場調査ツール

どのソーシャルメディア・プラットフォームの分析からでも、(日常的な文脈における、ポジティブな意味で)どのコンテンツのどの部分があなたの視聴者にぴったりとはまったかがわかるでしょう。データの分析結果上で目立つ部分に目を向け、同じタイミング、コンテンツのスタイルや枠組みにならい、成功を再現するのです。

逆にいえば、大失敗、あるいは危機を招いてしまったコンテンツの部分がわかれば、なぜ視聴者が予期せぬ反応をしたかを見抜くことができるでしょう。フィードバックを聞いて、二度と同じことをせぬようにするのです。

視聴者に聞いてみたいことがでてきましたか? 質問しましょう!マーケットリサーチ(手始めに、そうとは呼ばずに!)に参加してくれる視聴者には、サービスや製品を景品として渡してインセンティブを与え、ヒアリングをする関心の対象となる人々——すなわち、忠実なファン層から洞察を得ましょう。

4. いいね!”するフォロワーも熱狂的なファンも、行動へと移されなければ意味がない

営業や選挙、寄付金集めや広報といった、いずれの戦いにせよーもしオンライン上の人々が、あなたのWebサイトを訪れない、製品を買わない、選挙であなたに票を入れない、チャリティーに署名しないのであれば、オフライン上の目的を達成するためにオンラインの勢いを活用していません。

コミュニケーションの実務家は、オンラインからオフラインの行動への転換という長い戦いに目を光らせつつ、クリックする人々による熱狂的なかけあいに巻き込まれないようにすることが重要です。インスタグラムであなたの写真をクリックした人は、約0.5秒間、あなたに注目します。それは”エンゲージメント”ではなく、せいぜい、ウィンドウ・ショッピングです。

ウィンドウ・ショッピングをする人々を購入者や閲覧者、投票者や購読者へと変えられているかどうか、を素早くかつ簡単に確かめるには……

  • “いいね!”やリツイートなどの表面上の指標には、あまり重点を置かないこと(それはエンゲージメントではないのです)。
  • あなたの投稿に発したコメントについては、量ではなく、エンゲージメントの質を重視すること。

視聴者の感情分析は、メッセージがどのように認識されたか、メッセージに牽引力があるかどうかを測るのに役立ちます。

  • どれだけの人がリンクをクリックし、ビデオを(全部通して)観たか、メールアドレスを登録したか、あるいは製品を購入したのかにより注目すること。

5. ソーシャルメディアのネットワークは、いわば“デジタルマーケティング・マシン”

現在は、FacebookピクセルやGoogleリマーケティングといったスマートAPIログインやデジタルマーケティング戦略を活用すれば、視聴者のネットサーフィンの”冒険”を追いかけることができます。もしあなたがWebで調べていた製品の広告を、それとはなんら関係のないWebページで見かけるのが不思議に感じていたとすれば、それはスマートデータ戦略によるものです。

なぜ、ユーザーのWebブラウジングを追いかけるのでしょうか?統計的にはほとんどの人が、オンライン上で”ウィンドウ・ショッピング”をしても購入まではたどり着かないからです。(Baymard Instituteの最新の調査によれば、平均して68.63%のショッピングカートが放棄されています。)

しかし、例えばその後メールでのデジタルマーケティングによって促されれば、商品の購入率はより高いものとなります。ストーリー・テリングの“旅“を通じ、デジタル上の取引を終えるまで視聴者を引き寄せ続ける、という長期戦を恐れずに展開してください。

6. Facebookページインサイトは・・・…極めて示唆に富む

視聴者が、1日のうちにオンラインである時間帯から、住んでいる所や年齢、そしてあなたのコンテンツで最もぐっときた部分まで、Facebookページインサイトを定期的に振り返り、視聴者の人口統計にそってコンテンツマーケティングの計画をより確実なものにしましょう。例えばサーフボードを売っている場合、砂漠に住む人々よりも、海の近くに住む人々に対する方が販売の機会は多いのです。

7. Twitterがあなたについて知っているのは、Googleのそれと変わらない

視聴者がどのカードを使って決済しているか、知りたいですよね?フォロワーの大部分が契約しているのは、どの通信会社でしょうか?あるいは、彼らの所得階層を知りたいかもしれません。

Twitterアナリティクスが、新たな情報源となるでしょう。

8. 賢い決断のために、ソーシャルメディアを使う

視聴者の統計データ、セグメント、ひいては好まれる決済方法がわかったら、対象となるターゲットをひきつけるようなソーシャルメディアのキャンペーンは簡単に策定できます。あなたのサービスや製品に興味を持っているとわかっている人々を狙って、行動へと転換させるのです。国が違えば受け入れられていれる支払いの方法も異なってくるので、国際的な文脈においては、好まれる決済方法を知ることは特に役に立ちます。

9. 文脈が鍵

ソーシャルメディアのデータは、正しい文脈にあってこそ役に立つもの。例えば、危機が発生している間にはエンゲージメントが高まるでしょうが、それはポジティブな指標ではありません。同様に、たくさんの“いいね!”がされたからといって、エンゲージメントの質が高いというわけではないのです。例として、それぞれのソーシャル・ネットワークのアルゴリズムがどのようにコメントの”いいね!”に反応しているかをつきとめれば、あなたのコンテンツを新たな人々のフィードに有機的に入り込ませる方法を真に理解できるでしょう。

もしあなたが組織のデジタル戦略の責任者ならば、コミュニケーションに利用するあらゆるソーシャル・プラットフォームの変化にはいつも通じている必要があるはずです。

Mashableのソーシャルメディア・フィードとウェブサイトは、音声分析、実践的なソーシャルメディアと技術的なアドバイスの貴重な情報源になっています。

10. ソーシャルメディアがもたらすのは、ただのデータのまとまり

あなたの組織が持っている情報で、役に立ちそうなものに他に何があるでしょうか?

ソーシャルメディアのデータは、あなたが頂点に位置するであろう情報の一つの宝庫にすぎません。組織が有する、関連のありそうなその他の情報をつきとめ、視聴者やターゲットとするマーケット、戦略の見通しなどを幅広く評価するのと並行して分析しましょう。実店舗をもつ店にとってのオフラインの売り上げデータと同じように、あなたのWebサイトのデータは、素晴らしいスタート地点になります。

そのため、ソーシャルメディアで持ちうるインパクトを調べるのに、ある程度時間を費やしましょう。スマートデータを巧みに利用するために、デジタル戦略はいかに改善されたでしょうか?よりソーシャルメディアマーケティング分析について深く知りたい方は、3月7日より開講のNicole Matejicのワークショップ、 “Using Analytics to Drive Social Media Success,”へどうぞ。

ニコール・マテジック

二コール・マテジックは、Social Media Rules of Engagement.の著者。軍事情報活動において国際的に知られ、NATOの常勤インストラクター兼講演者であるソーシャルメディアアドバイザー。ソーシャルメディアにおける危機管理コミュニケーションに対する見識でも著名です。RMIT Universityのメディア・コミュニケーション学部で非常勤も務めています。

記事原文はこちら:http://cw.iabc.com/2016/03/02/10-ways-to-turn-social-media-data-into-smart-data/