完璧なプロジェクト企画書作成のためのソーシャル・データ活用

IABC's contents (Japanese)ソーシャルメディア

3月2日 ジェン・デーリング・デイビス

あなたの会社が新しい顧客に売り込みをしている時、新しいブランドを立ち上げている時、あなたが新規プロジェクトの企画書を書いている時、ソーシャル・データの威力を活用して、あなたのリサーチを特長づけるべきです。新ビジネスの提案において一番重要な側面が、情報です。まず最初にその宿題を片付けなければなりません。見込み顧客やプロジェクトを知れば知るほど、あなたはより準備が行き届き、大きな課題に取り組め、よいスタートを切ることができるでしょう。

Copyright: pressmaster / 123RF Stock Photo

では、この宿題を済ますためにどのようにソーシャル・データを活用したらよいでしょうか?まず、一般的なヒントから始めましょう。その次に、実際のソーシャル・データを使った実例についてご紹介します。

何をリサーチすべきか?

自社コンテンツ: 関係性のあるソーシャル・アカウントに目を向けてみましょう。見込み顧客は、どのような内容を投稿していますか?どのようなエンゲージメントを得ていますか?どんなチャネルを活用していますか?(またはどのチャネルには不在ですか?)

第三者による会話:そのプロジェクトや顧客について、他者がどう発言しているか詳細に調べましょう。ブランド、製品、関係者について、どのような会話が発生しているか、少し調べてみましょう。何がわかりますか?

有料キャンペーン:もし可能であれば、関係者がソーシャル・メディアに投資しているかどうかについて調べてみましょう。どのような種類の広告(もしあれば)を運営していますか?その有料メディアは彼らの自社メディアとどう違いますか?どのような性格の有料メディアを彼らは有していますか?

競合:顧客、またはプロジェクトの直接的な競合はどこかを割り出しましょう。その競合はソーシャル・メディア上でどのように行動していますか?そのユーザーは競合についてどのように評していますか?競合について話されている内容から、あなたはソーシャル・メディア上での機会について何がわかりますか?

業界:製品や企業については様々なことが語られます。多くの場合匿名です。ほかにどのようなことが会話の中で取り上げられているか、主要なステークホルダーにとって重要ことは何か、特にその業界についてあまり詳しくない場合には、業界について何を学ぶことができるか、を探すために、業界に特有のキーワードを注視しましょう。

どのようにリサーチすべきか?

良い点と悪い点を探す:まず、ギャップと、あなたが違いを出すことができる改善点を探します。ソーシャル・メディア戦略においてあなたが改善をすることができる箇所、または、より成功するキャンペーンを実施できる箇所を見出します。しかし、現在のアカウントが行っている悪い点ばかりに注目してはいけません。現在のアカウントが行っているよい点、誇ってよいキャンペーンを探し、その成功をあなたが活かせるよう、どうしてうまく行っているのかの理由を考えます。

客観的で具体的な数字を用意する:事例や話術はプレゼンテーションには大変重要だけれども、しばしば数字の方が言葉よりも雄弁です。あなたの主張をデータから得られる数字で裏付けしましょう。ツイート数、エンゲージメント数、インプレッション数、といったシンプルな数字から始めるのが良いでしょう。エンゲージメント率や、飽和率といった少し手の込んだ計算ができれば、ボーナスポイントです。会話の規模や範囲、キャンペーンの有効性を数字とともに示しましょう。

具体的な例を見せる:あなたがこれまでに同様のやり方でどのように成功したか、または今後、これまでとはどのような違いをもって行っていきたいか、具体的な例を見せましょう。過去に手がけた事例を示すことによって、この分野において成功した実績があると証明しましょう。その際、裏づけとなる数値や、ソーシャル・データを用意して、あなたの力量を示せれば尚、良いでしょう。定石と、新しいアイディアのバランスを取って、あなたがこれまでの手法を活用するだけでなく、新しいキャンペーン案を提案できることを示しましょう。

実際のデータで試して見ましょう

あなたの会社が新しいボトル・ウォーター製品を売り出そうとしていて、あなたは既存市場のリサーチ業務を担当していると想像してください。現在、少なくとも100のボトル・ウォーター製品が存在しており、あなたのリサーチの対象になる大量のソーシャル・データが存在しています。

このボトル・ウォーターのように混みあった市場では、よりよく理解するために、競合分析と業界分析に多くの時間を費やす必要があるでしょう。従って、広範囲な業界分析から始めるとよいでしょう。「ボトル・ウォーター」という言葉に言及した最近のツイートに関する簡単な調査によると、過去一ヶ月で38,000以上、一日平均にして約1,700の投稿があるそうです。これは相当に大きい数字です。

これらのツイートはどんな内容でしょうか?最近の米国においての多くのボトル・ウォーターについての投稿は、ミシガン州フリントでの水危機に関連したものです。この内容はあなたのボトル・ウォーター・ブランドが現時点で参入すべきではないものの、この内容を認識し、そのトーンに注目しておくことは重要です。あなたが発言したり行動したりすることによって状況が変わるのでない限り、ソーシャル・メディア上で、クライシスや惨事に関わる内容に割り込むことは決してしないようにしてください。

次に、ボトル・ウォーター大手ブランドに関するツイートを見てみましょう。Dasaniやペリエについてちょっと調べてみると、面白いことが分かります。過去一か月、ペリエに関しては1,500ツイートの投稿がありました。これらのツイートから、ペリエはほぼ例外なく、高級品や、高品質というイメージに紐づいていることがわかります。このことはあなたのプロジェクトに関連がありますか?もし関連があれば、これらのツイートを何かわかることがないか注意深く読むことです。また、そのツイートを誰が投稿しているのか、という点に注意を向けることも重要です。

DasaniはしばしばDasaniファンのコメントや感謝の投稿をリツイートしています。また、新製品、例えば、フレーバーつきや、スパークリング・ウォーターについて多く投稿しています。したがって、もしあなたの新製品がフレーバーや、気泡のような仕掛けを持つならば、その特徴をさらに徹底して掘り下げなければなりません。Dasani自体のポジショニングはどうでしょうか?どのツイートが最もエンゲージメントが多い、または少ないでしょうか?どんなハッシュタグを使っていますか?同様の製品を提供している競合をさらに多く探して、同じようなやり方で彼らのアカウントについて調べてみましょう。

これは、提案書を準備するまでに、どのようにソーシャル・データをプロジェクトのリサーチに活用するかのほんの手始めであり、もっとたくさんのことができるはずです。今回、ツイッターのデータに限定しましたが、同様の調査をどのソーシャル・メディアでも行うことができます。例えば、インスタグラム上にどんなボトル・ウォーターの写真がアップされているか。プロジェクトにおけるビジュアル面のアイディアを思いつく役に立つでしょう。無数の可能性があります。秘訣は、ソーシャル・メディア上でのリサーチに時間をかけることです。そうすればより情報が集まり、より的を射た提案書を作り上げることができます。

この記事は当初Union Metrics blogに掲載されました。許可を得てここに転載しています。

ジェン・デーリング・デイビス

ジェン・デーリング・デイビスはソーシャル・メディア分析ソリューションを提供する、Union Metricsの共同創立者兼編集長です。彼女の主な責任範囲は、データ論争とリサーチによって、一貫性があって優れた顧客満足体験を確実にすること、Union Metricsのコミュニケーションと製品メッセージを管理すること、です。デイビスは、テキサス大学オースティン校から組織コミュニケーションの分野の博士号を授与されており、コーポレート・コミュニケーションで15年間の経験を有します。これまでのキャリアにおいて彼女は、データをストーリーに変換し、関係者が新技術をよりよく理解できるよう、支援しています。