IABCジャパン 2019/7/19開催レポート「World Conference報告会」
7/19(金)IABCジャパンは、6月にカナダ・バンクーバーで開催されたWorld Conferenceの報告会を開催しました。
世界中から約1,400名のコミュニケーターやリーダーが参加。本年のテーマ「Think Forward」について、4日間にわたって講演を聴いたり、ネットワーキングの場で情報交換をしたりして、それぞれが今後のための知見を広げました。
World Conferenceでのトピックを紹介する雨宮IABCジャパン代表
「Think Forward」とはいわば、「先のことを考えよ。これから起きるであろう恐慌に備えよ」というメッセージです。比較的経済が安定している今だからこそ、将来に備えた活動を考えるべきだという思いが込められています。
今大会でも強調されたのが、Fake Newsとこれに対するTrust Buildingの重要性です。A.I.による本人の音声と表情解析が可能になり、オバマ元大統領の偽演説動画が作成されるということが話題になりました。
まるで本物のような偽情報を簡単に作成できるようになった今、人々は何を信じればよいのでしょうか?
コミュニケーションの本質に信頼関係が存在すること、インターナルでもエクスターナルでも、今まで以上に信用に価値がおかれるようになることを認識しておかなければならないと警笛を鳴らします。
プロ司会者・インタビューアーのセレステ・ヘッドリー氏は、メール等を用いたテキストの交換と対面の会話は、脳神経学的にも全く異なるものだと説き、脳内に分泌される幸福物質(オキシトシンやセロトニン)は対面でこそ得られると、その重要性を語ります。
「電子化が浸透すると、人はコミュニケーションが下手になる」と言い添えて、「私たちの世界は些細な会話が論争になるので会話をしなくなっている」とし、会話の能力を磨く具体的なノウハウを紹介しました。
(ご参考)TED.com「セレステ・ヘッドリーが語る『上手に会話する10の方法』」
https://www.ted.com/talks/celeste_headlee_10_ways_to_have_a_better_conversation/transcript?language=ja
また、IABCコンサルタントのシェル・ホルツ氏は講演の中で、「コーポレートコミュニケーションとブロックチェーン」に関して、ブロックチェーンの考え方が、金融のみならずコミュニケーションの世界に入ってきていると、今起こりつつある現象を分析。
モノ・サービスの個人間取引がグローバルで増加している現状に触れながら、取引の透明性をブロックチェーンの仕組みで示していく時代になると未来像を語りました。カスタマーレビューの信ぴょう性もこの仕組みに乗じて、保護されるようになると予言します。
インターナルコミュニケーション戦略と具体的な方策については、ウォルマート社、カナダ・マクドナルド社、DHL社等の事例を共有。グローバル単位での従業員コミュニケーションがどうあるべきか、先端を行く企業の取組みを共有しました。
カナダ・マクドナルド社のモバイルアプリの事例を紹介する池田氏
世界各国のコミュニケーターたちは今、何に向かって仕事をしているのでしょうか。生きた情報交換ができるのが、IABC World Conferenceの魅力です。
IABC ジャパンチャプターでは、ビジネスコミュニケーターの皆様に役立つ情報を発信していきます。次回セミナーは9月開催予定ですので、皆様お誘いあわせの上、是非ご参加下さい。
【次回開催概要】
議 題:コミュニケーションプロフェッショナルのキャリア開発
日 時:2019年9月予定
※詳細が決定次第、改めてご連絡申し上げます。