広報パースンのバックグランドは意外と多様である

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他社の広報担当の方と話しをしていて、実は驚くことが少なくありません。一口に企業の広報といっても、その成り立ちによりかなり性格が違うのです。 『 日本の広報・PR100年 』 によると、特に自動車や家電などのメーカーには1960年代に商品の PR から広報をスタートさせた企業が少なくないとのこと (http://www.iabc.tjp/2011/12/01/1175/)。そうした企業では、広報は広告・宣伝部門と隣接していることが多いようです。また、社内報に代表される社内広報は人事部門を母体とする会社も多いと思います。総務から枝分かれをしたという話しもよく聞きます。あるいは主として各種企業レポート、インターネットなどの製作・発行・運営部署として社内で認知されている場合も少なくないでしょう。

こうしてみると同じ広報といっても、その物事の判断基準や、行動様式が各社でかなり違っていて、それで驚くことが多いのです。あるいは、上記のようないろいろなバックグランドの人たちが集まって、ひとつの広報部門となっているというケースもあるでしょう。その場合は、個人としても集団としても自分たちが拠って立ってきた部門 ( 職種 ) の価値観や行動様式を引きずっているのが自然ですから、意外と隣の島のメンバーと違うことを考えているという可能性も高いと思います。一度自分の、あるいは自分の所属する職場のベースとなっている職種的な価値観はどのようなものなのか、客観的に振り返ってみる、あるいは皆で議論してみるということも有効かもしれませんね。

IABC のサイト (http://www.iabc.com/about/#jobresp には、メンバーのプロファイルが載っていますが、実にバランスよく職種が分散しています。この事実からも、IABC が提唱するビジネスコミュニケーションの特徴の一つは、こうしたいろいろな職種にまたがる機能を “コミュニケーション” というコンセプトで同じ土俵に乗せてみて、切磋琢磨しようというところにあると私個人は理解しています。(2012年1月20日)

そもそも IABC とは International Association of Business Communicators なのですが、いったいビジネスコミュニケーションとは何を指すのでしょうか?また、そのように概念化することによりどのようなメリットがあるのでしょうか?IABC本部 の考え方を参照しながら、また時にはまわり道を怖れずに、少しずつ考えていきたいと思います。

下平博文
IABCジャパン理事 (花王株式会社)