コミュニケーションはどこで起こっているのか

Member blog

社内のコミュニケーションの達成指標を業績の向上と捉えるとき、一番影響力の大きいものは、職場における上司と部下によるものではないでしょうか。そのときに、いわゆるコーポレート・コミュニケーションを担当する部署は、どのような貢献をすることができるのか ―― 今回考えてみたいのは、そのような課題です。

会社の基本的な考え方 ( 哲学 ) や戦略は、具体的な仕事に即して語られるときに、最も説得力を増します。しかし、そこには幾つかの課題があるように思います。職場のリーダーやマネジャーには、会社の考え方や戦略を折りに触れて意識して語っているという方も多いと思います。しかしながら、本人の気持ちはともかく、周りからみると圧倒的に 「 量 」 において少ないのが常です。これは多くの方が指摘していることでしょう。

また、具体的な仕事に即して語られるからこそ、受け手はその具体的な内容を優先して聞いてしまい、背後にある考え方や戦略を聞き逃してしまいがちです。これは 「 質 」 の課題といえるでしょう。

メディアを活用したコミュニケーションは、この 「量 」 と 「 質 」 の両面から、職場におけるコミュニケーションをサポートすることができるのです。

これを逆にコミュニケーションを担う部門からみたらどのようなことになるでしょうか? 自社の事業課題の解決に貢献するという役割を果たすためには、職場におけるコミュニケーションと上手く連携を取らない手はないと思います。例えばですが、メディアやツールを、現場での活用 ( 二次使用? ) を前提に考えるといった工夫です。現場の活動をメディアで積極的に取り上げるといった従来からある手法も、そうした目で見直してみると、新たな役割がみえてくるのかもしれません。(2012年3月16日)

そもそもIABCとはInternational Association of Business Communicatorsなのですが、いったいビジネスコミュニケーションとは何を指すのでしょうか?また、そのように概念化することによりどのようなメリットがあるのでしょうか?IABC本部の考え方を参照しながら、また時にはまわり道を怖れずに、少しずつ考えていきたいと思います。

下平博文
IABCジャパン理事 (花王株式会社)