8月29日 ワークショップ“Communicators High” Vol.1を実施しました。
8月29日、IABCジャパンは、広報などの企業コミュニケーションに関わる人たちを対象にしたワークショップ “Communicators High” Vol.1を実施しました。
今回は、参加メンバーにその場で 「広報担当者などのビジネスコミュニケーターとして抱えている課題」 を3つ以上書いてもらい、それを全員でシェアしながら、自由に意見を交わすという形式で議論を進めました。ファシリテーターを務めたのはIABCジャパン理事の下平です。
主な議論を紹介します。
- コミュニケーションの仕事がどのように業績 (プロフィット) に関わり、どのような意義を持つのか、それを社員に分かってもらい、また社員のモチベーションを上げるためにも可視化が必要であるが、課題も多い。
- コミュニケーション担当としてのモチベーションをいかに高く保つのか。評価軸が明解でない分、維持するのに困難を覚えることがある。また、小さな企業では、一人で広報活動を行うケースが少なくないが、自由にできる反面、孤立感もあり、サボることも可能 (広報活動をやった場合とやらなかった場合の結果の違いを明確化してはどうか)。
- 金融機関や学校法人などにおいては、ブランディングはどのような意味を持つのか。またブランディングはどのようなメリットをもたらすのか (金融機関なら 「信用力」 「財務基盤」 など)。
- 企業のブランディングは、理念の共有など、インターナル (社内) の活動から発想するのが有効ではないか。
- ブランディングを達成するWebサイトの要件は何か。
- 企業として一貫したメッセージを伝える ("One Voice")、交通整理をするという役割は大きい。そのためには、社内・社外ウェブサイトを充実させ、様々な立場にいる社員が ”One Voice“ で一貫したメーセージを伝えられるようにする。
- コミュニケーションの効果を図る定性的、定量的指標の意義。
- 人材の育成。OJT といいつつ現場任せになっていては、なかなか人は育たない。どのような成長のロードマップを描くのか。コミュニケーション以外の分野や人から学ぶことも重要。
- 会議の進め方や、リコグニションの仕方など、欧米企業には明示的な ”型” を持っている企業が多いが、これからの人材の多様性を前提に考えると有効ではないか。
- リスクマネジメントをはじめとして、社内外のコミュニケーションについて、実務のガイドラインとなるポリシーを明確化することが有効ではないか。
- SNSとどう付き合うのか。まだ個人としてどう付き合うかさえ不安定な現状で、企業のツールとしての可能性はどう考えるべきか。
- IABCジャパンの活動の可能性と、単独で行うことの限界。他の団体とのコラボレーションの可能性について。
もちろん、ひとつとして ”結論” の出たテーマはありません。今回は、課題を網羅することに終始した感がありました。次回以降もしばらくは課題を出し尽くす方針で進めるか、あるいはテーマを絞り込んでいくか検討をしていきたいと思います。
ワークショップの背景
これまでもIABCジャパンでは、月に1度、理事を中心にメンバーが集まりミーティングを開催していきました。しかし、そこでの議論のテーマは、どのように運営をしていくかという How に留まることが多く、最初に集まったときのビジネス・コミュニケーションを変えたい、コミュニケーションで事業や社会に貢献したい、といった志についての言葉が少なくなりつつあることに気づきました。
そこで、運営ミーティングのほかに、何のために、何ができるのか、といった Why や What を議論する場をつくろうということで始めたのがこのワークショップです。より多様な視点を取り入れるためにも、はじめからメンバー以外の方にもオープンにすることにしました。6月のパイロット (試行) を実施し、その好評を受け、今回が正式の1回目の開催となりました。
今後も月に1度程度、定期的に開催する予定です。詳細については、改めてお知らせをします。
最後になりましたが、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
参考)⇒ IABCジャパン理事 林正愛のブログ 「IABCジャパンのワークショップ」
IABCジャパン事務局