オンライン危機に備えていますか?
2017年5月2日 ジョン・デヴェニー
あなたの会社は何十億ドルもの価値があるかもしれませんが、その評判には値段は付けられません。 しかし、2013年のアクセンチュアの調査によると、危機に対処する準備が整えている企業リスクマネージャーはわずか28%であることが明らかになりました。 特にデジタル分野において、あなたの会社の準備体制をどのように評価しますか? それを決断する時間など問題にもなりません。今日準備することで、危機を凌げる機会を劇的に増やすことができます。
脆弱性を特定する
デジタル対応は、あらゆる角度からブランドのリスクを評価することから始まります。 ポリシーのどれが差別的なものとして解釈される可能性がありますか? 食物媒介性疾患の可能性はありますか? 貴社の潜在的な脆弱性を特定してカタログ化することで、危機が発生した際に迅速かつ効果的に行動することができます。 それぞれに関連するリスクのレベルを批判的に見て、企業への影響や問題の長さなどの要因を考慮してください。
リスクアセスメントで収集したデータを活用して、レスポンスチームを決定します。 危機はソーシャルメディアマネージャーだけでなく、組織全体に影響を与えることを覚えておいてください。 危機対応のフローチャートを作成して重役を引き込むことを恐れないようにしましょう。 問題が深刻になればなるほど、シニアレベルの対応者が必要となります。 組織の複雑さによっては、事前に承認されたプロセスを取得するために法務チームと協力した方がいい場合もあります。 ソーシャルメディアは、次のステップを決定しようとしている意思決定者よりも速く動くことが多く、危機の際には官僚主義でかなりの応答時間を無駄に費やす可能性があります。 私たちはクライアントに「世界のどこからでも、いつでも、4時間以内にCEOからビデオをオンラインで入手できますか?」と聞きます。答えが「いいえ」なら、あなたは完全に準備できていません。
危機が発生した時には、速やかに行動しよう
すべての危機は異なりますが、その日が到来すると、最初に従うべき広報対処の標準的な手順はあります。 たとえ情報が全くゼロの状態であったとしても、「ねぇ、知っていた?」というコメントがソーシャルメディア上でうねりとなって流れるのを食い止めるために、状況を直ちに認めることです。 2016年、TeslaのCEO、Elon Muskは、Teslaの「オートパイロット」機能を使用して亡くなったドライバーを認知するのに約1ヶ月間も時間をかけました。のちに、その間Muskは20億米ドルの株式を売却していたことが発覚し、危機をさらに複雑にしました。
あなたのブランド価値に当てはまる応答を初期認知に続けて用意して下さい。 あなたの聴衆はその応答を容易にナビゲートすることができるようにすべきです。 主要なステークホルダーも、ソーシャルメディアフォロワーに加えて、信頼性に鑑みてあなたの応答を評価します。
視聴者のいる場所で応答する
ソーシャルメディアの危機は、戦術的展開を必要とすることによって複雑さを増しています。 メッセージを作成したら、危機が始まったところから応答し始めてください。 2012年、KelloggはFacebookにおいて「すべて天然成分」を含むと宣伝されていたKashiブランドで遺伝子組換え大豆成分に関わる危機に遭遇しました。彼らは危機が発生しているFacebookではなく、あまり見られていないYouTubeビデオで応答しました。彼らのチームは、貴重な時間を応答に役立たなかったコンテンツを製作するという無駄な時間に費やしてしまいました。一貫性を保つために、FAQに加えて、マイクロサイト上に応答をすべて格納するのが賢明です。これにより、コミュニティマネージャーは、文字数が制限されているソーシャルプラットフォーム上でリンクを使用することもできます。
また、この危機に関してプレッシャーを解放できるようなバルブ、例えば危機のマイクロサイト内のFacebookページ、フォーラム、またはコメントセクションなどで危機について議論を交わせる場所を作成することをお勧めします。 直感とは逆に思えるステップかもしれません。この戦略には2重の理由があります。まず、単一のプラットフォームに議論を集めることにより、応答に集中することができます。また、早期発見システムとしても機能し、危機の新たな進展をチームに警告することができます。この場が常に監視され、質問が答えられていることを確認してください。
ソーシャルメディア危機管理における最も重要なステップは、コミュニティ管理チームの導入です。 タイムリーな対応は、否定的なレトリックを弱めるのに大いに役立ちます。 あらかじめ承認された言語は、迅速な対応に不可欠な役割を果たしますが、 “録音"されたような印象や鈍感に聞こえる対応にならないように注意してください。経営陣は、全従業員に知らせる義務があり、それは内部の電子メール、テキスト、ブログ投稿などのいずれを通じて伝達するべきです。すべてのプラットフォームから批判が来ることを想定して、すべての従業員がスポークスマンになる可能性があります。
危機が勃発することにより、あなたのブランドは、最も大きくて最も重要なソーシャルメディアの視聴者と接することになります。ブランドレスポンスの失敗を伝える多くの見出しの1つにならないでください。 予期せぬことに直面するように今から準備しましょう。
ジョン・デヴェニー、IABCフェロー、PRSAフェローは、世界中の会議でトップクラスのプレゼンターであり、ホスピタリティおよびヘルスケアリーダーの危機管理について国際的に認められています。 彼の会社の仕事は、LCMCヘルス、人類の健康、PhRMA、March of Dimesにおける全国的取り組みや、ハリケーンカトリーナやBP油流出を取り巻く危機シナリオを通じて取り上げられています。 PR Newsの名誉殿堂、PRSAカレッジ・オブ・フェロー、IABCフェローとして生涯達成実績を評価されているのは彼だけです。
出典:http://cw.iabc.com/2017/05/02/prepared-online-crisis/