日本広報学会にて研究発表に参加してきました
10月22日、23日の二日間、国分寺にある東京経済大学で開催された第17回日本広報学会研究発表大会に参加し、IABC国際会議について紹介してきました。
今回は震災後ということでメインのテーマは「東日本大震災における広報課題~”想定外”のクライシスマネジメント」。
初日の基調講演は内閣東日本大震災復興対策本部事務局次長、岡本全勝さん。
震災発生からタイムラインを追ってたんたん、とどのような対策を行ったかお話いただいたのだが、
「支援物資は集まるがあふれる荷物を捌くのに宅配業者の方を呼び配送センターを整備した」
「その場の判断の早さは女性が優っている」
「全国1700の市町村のうち、1100に被災者が非難している。被災者の分散が広範なので一番確実な通知方法は全国のコンビニに連絡通知を掲載することだった」
「緊急時これから何をしなければならないか。参謀として自身の考えを短時間で部下にアウトソーシングする。それが機能するためには現場を知らないと次何を すれば良いかわからない。しかも被災地だけでなく自治体の現状も知るべきだ。想定外、想定外、というが、想定外のことを考え、行動に移すのがプロ」
など、ディテールに込められたお話には圧倒的なリアリティがあり、報道からは伝わらない現場の証言としてとても学ぶことが多かった。
翌日の日曜日の基調講演は「大本営発表とツイッターのはざまで―情報発信の倫理をめぐって」と題し、TBSテレビ執行役員・「報道特集」キャスターの金平茂紀さんが登壇された。
こちらも「切断点」というキーワードで、
1945年8月15日:終戦
1972年5月15日:沖縄返還
2001年9月11日:同時多発テロ
2011年3月11日:東日本大震災
これらの発生が人々の考えの転換期になっているという視点でお話をされました。
311におけるパラダイムシフトは、
知の権威の失墜
成長神話の終焉
原子力安全利用神話の崩壊
メディアに対する信用の失墜
であり、最後に我々に、「広報」とは?「報道」とは?「宣伝」とは?
皆でその定義をもう一度見直してみるべきではないか?という提言をされました。
さて、そんな基調講演に続くひとコマでお話をさせていただきましたが、ありがたいことに教室はほぼ満席、用意した資料もほとんどお持ちいただき、ご質問もたくさんいただきました。
私のプレゼンテーションは20分で、IABCの概要、国際会議の様子、広報学会にとってのIABCの価値に触れさせていただきました。
IABCの特徴として、世の中の変化の早さに対応すべく、既存広報の職能だけなく組織横断的に企業コミュニケーションの課題を解決する事例を紹介しました。
海外事例を紹介すると日本企業の方からは、かつて
「海外と日本は文化が違うから事例は役に立たない」
と言われたこともありましたが、IABCに参加する(もちろんアメリカも含め)国の方々は、
「違いを知る事がチャンスになる」
と言っています。
このご縁をきっかけに近い将来、関西でもIABCの紹介の機会ができればと思います。