IABCアジアコンファレンス@香港 (2)4月8日

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さて、IABCという団体の特徴は、主に以下の3点に集約されます。

1.経営課題に沿った組織横断的なコミュニケーション
2.変化(社会、ビジネスプロセス、情報技術)への柔軟な対応
3.グローバルな視点とネットワーク

話し合われるトピックは「ソーシャルメディア」や「危機管理」、「インターナルコミュニケーション」、「ダイバーシティ」、「マーケットコミュニケーション」、「ブランド」、「コミュニケーションリーダーシップ」など、多岐にわたります。しかしそれらが既存の役職(例えば「人事」、「広報」、「マーケティング」、「経営企画」など)単独の組織や職能だけでは解決しづらくなってきている現状を鑑み、組織横断的に議論する事で解決の糸口をつかもうとしている点で今までの職能団体と大きく異なるといえるでしょう。

今回、オープニングレセプションにおいて現IABCチェアマンであるD. Mark Schumannさんがあげたコメントもこの団体の特徴をよく言い表していましたのでご紹介します。

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20年前(1990年)のグローバルコンファレンスのテーマは

「DTPがコミュニケーションを変える。我々はもう元の世界には戻れない」

というものでした。

そして10年前(2000年)のグローバルコンファレンスのテーマは

「e-Mailがコミュニケーションを変える。我々はもう元の世界には戻れない」

というものでした。(笑)
そして今年(2010)のテーマは

「エンゲージメントがコミュニケーションを変える。我々はもう元の世界には戻れない」(爆笑)

きっと10年後、私たちはまた違う潮流をとらまえ、おおいに議論している事でしょう。

しかしポイントは、私たちは常に新しい変化を積極的に捉えつつも、ビジネスの軸からはずれない議論をし、プロのコミュニケーターとしての職能を磨く努力をしているであろう、という事です。

今後、「CEO」は「Chief Engagement Officer」を意味するかもしれません。
ソーシャルメディアの発達を垣間見て感じることは、「人々はより感情的につながりを求めている。テクノロジーの後押しがあってそれが簡単に出来るとわかると加速度的に広まっていく」ということです。

さまざまなステークホルダーとのリレーションシップは常に変化しています。しかし目に見える世界では、変化は端的には現れて(見えて)はこないものです。

だからこそプロのコミュニケーターの役割は、リーダーや企業の特質をとらまえ、人々が求めていることに応えるところにあるのです。

あなたの部署は広報ですか?人事ですか?マーケティングですか?いずれにせよ「あなたの会社にとっての真実」よりもく「社会やカスタマーや社員にとっての真実」という視点で対話しなければならないとすれば、もはや既存の部署や役職、の立場でものを考える事の意味は大きく薄れてきます。

これからは、コミュニケーションする相手をどうしたいか、ではなく、自分(自社)にとって相手はどういう存在かを伝えることが大事です。

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かつて企業の方からいただく課題の多くは企業サイトやイントラ、もしくは印刷物とのミックスなど、ツールオリエンテッドなものがほとんどでしたが、解決策を探り出すと、やはりどうコミュニケーションの姿勢を持つか、という根源的なところを避けて通れなくなります。

IABCに関わるとそのヒントや解決の糸口をつかむ機会がとても多くなります。ただ、現状では基本的に英語でのコミュニケーションということもあり、まだまだ日本では知名度の低い国際コミュニケーション団体ですが、今後多くの日本の企業やコミュニケーションのプロを目指す方々に参加、関わっていただくことができるよう、
日本でのサポートを少しずつ展開して行こうと考えています。
(IABCの日本支部の開設のオーソライズはいただきました)


ネットワークランチの様子。目の前に座ったスコットランド出身のスピーカーに「中村をなぜスペインに行かせたんだ?不幸になるだけだ(彼はセルティックと中村のファン)」と言われました(笑)。
すでにマリノスに戻っているというと少し安心していました。